Year 2024年9月
TAYUTA
- 分野 HOTEL
- プロジェクト名 : TAYUTA
- 所在地 : 熊本県上天草市松島町合津7488-1
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- 担当 : 吉木 武
- 部署 : 営業本部 施設プロジェクト部 部長
全域が国立公園の島を舞台とし、自然のままに過ごす時間。景色への感動に寄り添える家具を
国立公園ならではの制約を活かし、人と自然が主役の環境へ
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どこからが外で、どこからが室内か、心身をリトリートするための“曖昧さ”。日常を忘れ、時間を忘れ、自然の流れの中で揺蕩う(たゆたう)。そこは熊本県上天草市、全域が国立公園に指定された樋合島。2024年9月に開業した宿泊施設「TAYUTA」は、「雲仙天草国立公園」内の5万坪もの敷地に客室12部屋という、驚くほど贅沢な構成で国内外からの利用客を出迎える。
全国に35箇所しかない国立公園のひとつであり、建物をつくるにも様々な条件をクリアする必要があった。例えば屋根は、日本で昔から受け継がれてきた切妻屋根や寄棟屋根で統一し、自然に溶け込むような配色だ。外観デザインを目立たせることができない制約を逆に活かし、「建物はシンプルでシック、人と自然が主役」の環境へと仕上げていった。
ゆっくり眺めたい景色のそばに「思わず座りたくなるチェア」を
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空間づくりにおける大きなキーワードは「グラデーション」。建物内でも自然の変化や季節の移ろいを感じられ、外との境界線が“曖昧”な心地よさを叶えている。
すべてのヴィラから海が一望できるため、部屋ごとにソファの高さを調整し、座った状態で理想の眺めになるよう設定。採れたての天草の旬を味わいながら絶景も楽しめるレストランには、食事の最後の瞬間まで心地よく過ごせるよう、クッションの硬さや背もたれ・肘掛の角度にまで細やかにこだわったダイニングチェアを設置した。また、客室やレストランだけでなく、「ここからゆっくり景色を眺めたい」と思える場所に、「思わず座りたくなるチェア」がレイアウトされており、朝から夜まで天草ならではの美しさを堪能できる。
その景色があるから、そこに家具がある。天草だから出会える感動に寄り添っていく。
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施設の魅力の源は、天草の魅力。宿泊客と共感・共有しながら発信
目指しているのは、天草の魅力を五感で体感できるよう、宿泊客とともに旅をプランニングしていける存在。家族のように出迎え、スタッフ一人ひとりが天草の魅力を宿泊客と共感・共有する。
そうして信頼を積み重ね、どこにもないホテルへ。
施設の魅力の源は、天草の魅力。「TAYUTA」という空間を通して、「天草」を発信し続ける。
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