Year 2023年8月
長崎船舶装備株式会社
- 分野 OFFICE
- プロジェクト名 : 長崎船舶装備株式会社
- 所在地 : 長崎市西琴平町1-5
- 担当 : 片山弘文 / 宅万未夏
- 部署 : 長崎営業所 所長 片山弘文 / クリエイティブ事業部 本社プランニング室
海に浮かぶような出島型ロケーションを活かし、ABW導入の多目的スペースを展開。過ごし方に彩りをもたらす「カフェ&グリーン」
ABWの導入によって、垣根を越えたコミュニケーションの場に。
客船やフェリーなどの船舶内装に加え、陸上にある店舗や商業施設の建築内装も手がける「長崎船舶装備」の新社屋。5年前の75周年を機に新社屋計画が立ち上がり、80周年を迎えた2023年の8月、ついに稼働が始まった。
目の前には長崎港が広がり、様々な船舶が行き交う。特に5階は、長崎ならではの出島型で建物からせり出されているため、まるで海の上に浮かんでいるかのような唯一無二のロケーションが展開されており、それを活かして多目的スペース「SOLARIUM(ソラリウム)」がプランニングされた。
コワーキング・リチャージ・ミーティングなど、ワークスペースでの活動内容に合わせて環境を選べる「ABW」を導入し、フレキシブルに使いやすく。旧社屋時代にはほぼ見られなかった、部門が異なる社員同士の交流も生まれ、垣根を越えてコミュニケーションができる場の創造につながっている。
実際に試して多様な家具を抽出し、席数を減らす大胆なプラン変更も実施。
空間デザインのコンセプトは、空と海のブルーが映えるように設定された「カフェ&グリーン」。植栽のグリーンが効果的にレイアウトされ、海岸の砂浜をイメージしたサンドカラーと癒しのウッド調それぞれの床材の上に多様な家具が並び、心地よいリラックスやリフレッシュを生み出している。
様々なデザインの家具でメリハリをもたらしながら、全体的に落ち着いた色合いで揃えることにより、ひとつの空間としてのまとまりも確保。当初のプランでは、多くの人数が利用できるよう、窓側エリアに小ぶりのチェアをたくさん並べる予定だったが、プロジェクトの企画・設計担当者が家具のショールームを訪れ、広くゆったり座れるタイプの心地よさを実際に体感したことをきっかけに、あえて席数を減らしたプランへ変更し、過ごしやすさをさらに高めている。
また、利用する人数に合わせたフレキシブルなレイアウト変更を想定し、2名用のテーブル席を多めに用意。テーブルをつなげた研修の実施など、多目的スペースとしての可能性を広げていく。
エレベーターのドアが開いた瞬間から、そこに待つ心地よさへの期待を高めていく。
5階に到着し、エレベーターのドアが開いた瞬間に心が躍るよう、エレベーターホールからの見え方も重視して、ペンダントライトや植栽の位置を調整。シンボル的な存在の植栽がパッと目に映り、「SOLARIUM」への期待感を高める。
新社屋の計画を機に、これまでなかった役割の空間を創造。企業としてのさらなる発展を予感させる場所で、100周年を見据えた躍動が海の先まで無限に続いていく。