今回から数回にわたり展開される連載企画「木目を読む」
第1回は“追柾(おいまさ)”の魅力にアンダーライン!

まずは丸太の断面3タイプを簡単説明!

追柾とは木目のパターンの1種ですが、追柾の内容に入る前に、まずは木目をつくる丸太の断面について簡単にご説明します!
丸太を切る場所や方向により名称が定められています。

1.放射方向「柾目面」まさめめん

中心を通るように、縦に平行に切断した面。年輪が真っ直ぐ揃って見えます。

2.接線方向「板目面」いためめん

中心を外すように、縦に切断した面。丸太の外側の部分から取られ、山型や楕円に見えます。

3.木口方向「木口面」こぐちめん

木の繊維方向に対して、横(直角)に切断した面。年輪が輪のように見えます。

それでは「追柾」とは?

丸太の断面3タイプをご説明しましたが、「追柾」に関係しているのが「柾目面」と「板目面」です。それではここから「追柾」について解説してまいります。

まず、丸太から板を切り出すことを「製材」または「木取り」といいます。
ここでBの断面をご覧ください。縦に3等分すると、中央部分(C’)はCの板目板に相似します。そして両端部分(A’)はAの柾目板と相似で柾目です。

つまり、接線方向の板目面から、柾目板(A’)が木取れたということになります。そしてその柾目(A’)こそが「追柾」であり、接線方向から製材された柾目板が「追柾材」です。
また、対義語として、放射方向の「柾目面」に表れる柾目のことを「正柾(しょうまさ)」といいます。

「追柾」は「柾目」と「板目」の中間の木目

整然として隙のない印象の柾目、天然の味わい豊かな板目。
今回のテーマの「追柾」は、まさにその中間的な木目です。ストレートにいえば、柾目ほど真っ直ぐではなく、板目ほど曲がっていません。そのため、柾目の整然さと板目の柔らかさを兼ね備え、木の豊かさを最も表現できる部位として、従来から好まれてきました。

まとめ

柾目と板目の中間的な位置づけで愛されてきた「追柾」。
スッキリとした印象を保ちながら、木の温もりも程よく表現できるため、テーブルの天板やキャビネットなどによく使われます。
現代のインテリアにおいても活用され続けているので、ぜひ注目してみてください♪