令和元年(2019年)に創立40周年を迎えた「志學館大学」は、新たな時代の幕開けとして施設整備を開始し、「40周年記念館」が誕生しました。
通常の講義やイベント開催における活用はもちろん、学生たちが自然と集まり、憩いの場や息抜きの場にもなっている注目の施設。その空間づくりを担当した、志學館大学 総務課の幾留一郎さんにインタビューを実施しました。
志學館大学
総務課
幾留 一郎
これまでにないデザインで大学のシンボルに
40周年記念館は三角形を組み合わせた多面体のデザインが特徴で、大学の敷地内にはこれまでなかったタイプの外観をしています。高台にあるので目にとまりやすいですし、今では大学のシンボルのひとつです。これから社会に羽ばたいて多方面で活躍する学生たちをイメージした多面体デザインですが、メンテナンスしやすいというメリットもあります。例えば火山灰が降ってきてもキレイな状態を保てますし、外壁の色味も雨垂れが気にならないような色を選んでいるので、いつまでも長く親しまれる建物のデザインとしても適していますね。
実は鱗状の外壁にはちょっとした秘密がありまして、遠目に見ると、「志學館大学」の「S」が入っているんです。これはなかなか気づかれないですし、知る人ぞ知る仕掛けですね(笑)。そういった自由な遊び心も大切にしています。
多様な家具が様々なシーンを生み出す
これまでの空間づくりは画一的でどこか殺風景な印象だったのですが、記念館には様々なゾーンを構築し、多様な家具をレイアウトしています。学生たちが授業の前に心を整えられるよう、色味はすべて落ち着きが感じられるものにすることも意識しました。
憩いの場や授業の合間の息抜きの場としてはもちろん、真ん中のエリアは自習スペースとしても人気で、窓から景色が眺められる1人掛けのソファは行事の際の待機場所としても利用されています。日差しが強すぎなければ、飲み物を片手にのんびりと景色を眺めながら過ごしている学生も多く、私自身の学生時代にはそうやってリラックスできるスペースはなかったので羨ましいですね(笑)。
多様なデザインの家具があることで、様々なシーンが生まれていると感じます。また、色々な種類の家具があるので、フレキシブルに配置が変えられるところも便利です。オープンキャンパスの受付場所として使いたいときにも大活躍ですし、利用用途に合わせて配置変更しながら活用の幅を広げています。
画一的ではない新たな大学をデザイン
記念館はとても目に入りやすい場所に建っているので、大学へ初めて訪問される方の目印になりますし、記念館に入ったら思わず感激していただけるような空間づくりを心がけています。私が学生だった頃は、いわゆる大学らしいと言いますか、画一的で殺風景な印象の空間が多く、デザイン面に配慮された場所は大学内にはなかったのではないでしょうか。やはり、ここで学べる学生が羨ましいですね(笑)。40周年記念館があることをきっかけとして大学に興味をもっていただけるくらい魅力的な施設だと感じています。
夜になると、外観のデザインに合わせて設置した照明が点灯します。2階の電灯がランダムに配置されている効果もあり、記念館を下から見るとすごくインパクトがありますので、ぜひ夜の姿も見ていただきたいです。さらにサインもライトアップされるのですが、光に照らされて大学名が浮かび上がるところが非常にシンボリックで、大学だけでなく地域全体のシンボルとして親しまれるような存在を目指していきたいと思っています。
活用の機会を増やし成長の原動力へ
館内には、約540人を収容可能な大講義室や錦江湾を一望できる2つのラウンジ、さらには40年の歴史を辿った記念ギャラリーもあります。以前からの課題だった教室不足の解消もされ、使いやすくて心地よくてデザインも良いと評判で、施設の利用頻度はかなり高い状況です。学生たちはもちろんですが、全国規模の総合文化祭の会場に選んでいただいたり、国家資格の試験会場として活用していただいたり、たくさんの方々にご利用いただけることは大変嬉しくありがたいです。
外観の三角形には「新たなものを創造する力」という意味を込めているので、この場所から新たな発想やコミュニケーション、試みが生まれ、学生と大学がどんどん成長していく大きな原動力となれることを願っています。
志學館大学 40周年記念館
住所/鹿児島県鹿児島市紫原1丁目59-1
納入商品/グリフィス、ストライク、リッツ、シーラ、テニス、ロト、レザボア、トンディーナ、ジェイド、ディラン、ジャック 他
担当/鹿児島営業所 野村卓哉
家具プランニング/クリエイティブ事業部 本社プランニング室 末冨秀果