島根県松江市で1986年に開館した「さんびる文化センター プラバホール(松江市総合文化センター)」が、建築基準法施行令の改正にともなう耐震改修・遵法改修をきっかけに生まれ変わりました。 ホールと図書館で構成された複合施設であり、地域の「文化芸術活動の拠点」。利便性の向上だけでなく、もっと立ち寄りやすくなるような、地域に親しまれるような工夫が重ねられています。 そこで今回は、そのリニューアルについて、プラバ業務課 課長の竹田修司さんにインタビューを実施しました。

さんびる文化センタープラバホール(松江市総合文化センター)

竹田 修司様

座席色は夕暮れの穴道湖、 プレートには八雲塗を。

当館はホールと図書館の複合施設で、ホールの大きな特徴は舞台と客席が一体になるドーム型天井、そして中・四国地方の公共ホールで唯一のパイプオルガンです。「国際文化観光都市に相応しい薫り高い文化創造の拠点施設の象徴」として設置され、専属オルガニストを中心に数多くのオルガン事業を実施し、地域の方々にも親しまれています。
今回のリニューアルで、大ホールの座席の幅が4cmほど広くなり、座席の色は夕暮れの穴道湖をイメージした色に仕上げられ、座席のプレートには伝統工芸の八雲塗が施されました。さらに、開館して初めてパイプオルガンのオーバー ホール(分解点検修理)も実施しています。パイプが85本追加され、2583本になったことで、より魅力的な音色が奏でられるように生まれ変わりました。

入口から奥まで工夫がたくさんの「ライフラリー」

図書館のリニューアルにあたっては、「ライフラリー」というコンセプトを設定して進めていきました。図書館は英語でライブラリーですが、地域の方それぞれのライフステージに応じて使いやすい図書館、居心地のよい図書館でありたいという想いを込めています。年代問わず、どなたにとっても心地よい図書館ですね。

入口の近くには気軽に立ち寄りやすいブラウジングコーナーを設け、館内カフェの飲み物と一緒にカフェ気分で過ごしていただくこともできます。そして、奥に進めば進むほど、読書や調べものに集中できるようなレイアウトになっているところが大きな特徴です。
また、地域の方々からのご要望を受け、図書スペースとは別に学習室を新設したので、学生の皆さまのご利用もすごく増えましたね。本を読みたいときはもちろんですが、リラックスしたいときやワクワクしたいとき、様々なシーンで利用していただける図書館を目指しています。

遊び心のあるソファが広いホワイエで大活躍

ホワイエのスペースを広く確保しているので、広々としているのは魅力なのですが、何もしなければ寂しい印象になりがちです。そのため、様々なサイズを組み合わせられて、落ち着いた色合いながらも遊び心や楽しさが感じられるベンチソファが大活躍しています。並べているだけで空間にリズムが生まれますし、自由に動かせるところも使いやすくて好評です。大ホールの使用がない ときは、ホワイエだけをレンタルしていただくこともできるので、ミニコンサートなど様々な催しに合わせてレイアウト変更が可能なのは非常に使いやすいと感じています。

さらに、松江市に寄贈された「八雲塗ピアノ」をストリートピアノとして設置しているので、ぜひ自由に演奏をお楽しみいただきたいです。穴道湖の夕景と国宝の松江城、市花である牡丹と椿が描かれていて、とても美しいですよ。

目的以外の場所も巡りたくなる施設へ

これまでは、目的が図書館なら図書館のみ、ホールならホールのみ利用される方がほとんどでしたが、リニューアル後は館内の様々な場所をまわる利用者様が格段に増えましたね。例えばホールからカフェへ、カフェから図書館へ・・・ここに寄ってみよう、ここにも行ってみようといった感じで過ごしていただけて大変嬉しく思います。
これからも、地域の皆さまに親しみをもっていただけて、身近に感じていただける施設、足を運びやすい施設であり続けられるよう、工夫を重ねていきます。