コロナ禍で飲食業界全体が困難に直面している今、以前に掲載させていただいた愛され続ける老舗店の皆様に、改めてお話を伺いました。目まぐるしい変化との向き合い方、新たな取り組み、変わらず大切にしていること。追加インタビュー分も含めた再編集版で、どんな時代も愛される名店の現在地をお届けします。

一番の目標は変わらず続けること。地域の日常に溶け込む美味しさ、癒しの時間。

クラシカルなホテルのロビーをイメージ。いつもの席で、いつもの一杯。

ボウルに入ったツヤのあるコーヒー豆と、カウンター上に並ぶサイフォン。マスターと奥様の柔らかな笑顔に迎えられ、クラシカルなホテルのロビーをイメージして揃えられたイスへ。テーブルは、角が移動の妨げにならないよう、通路側の角だけ取った特注品になっている。

豆の個性を活かしたコーヒー、そして奥様特製のホットサンドを味わいながら、開放感溢れる大きな窓から街並を眺めてのんびり。そんな癒しの時間が、地域の日常、街の日常として溶け込み親しまれ続けているのが「しのはら珈琲店」だ。

お客様の喜びのための取り組みに真っ直ぐ。様々なスイーツ店とコラボし、コーヒーロールも誕生。

昨今の社会の目まぐるしい変化にあたり、店主へインタビューを実施。
「コロナ禍とたまたま時期が重なるタイミングで、大きな変化がありました。それまで1社のケーキ店さんと提携していて、その契約の関係で他店のスイーツはご提供できていなかったのですが、新たな契約更新にともない、コーヒーに合う様々なケーキ店、スイーツ専門店と提携できるようになったんです。そのため、コーヒーと一緒にお楽しみいただけるスイーツの種類が格段に増えました!お客様に喜んでいただけて、とても嬉しいです」と微笑むマスター。

粉ロールのスイーツ店とコラボし、オリジナルのコーヒーロールも生まれたとのこと。コロナ禍だからとか、コロナ禍だけどとかではなく、純粋に目の前の人たちに喜んでもらうための取り組みに真っ直ぐで、マスター自身がワクワクしていることが伝わってきた。

お店を変わらず開け続ける意味。心のよりどころを、ずっと。

最後に、これからに向けてのメッセージをいただいた。
「まず大前提の目標は、お店を変わらず開け続けることです。カップルで来店されていた方々がご結婚後にファミリーで来てくださったり、お店でずっと勉強していた受験生が合格の報告をしに訪れてくれたり。9時から23時までの営業は、もう私たちの生活の一部だと感じます。この場所がお客様にとっての心のよりどころになっていることを願いながら、少しでも長く営業を続けていけるよう、力を合わせて励みます!」


しのはら珈琲店
住所/福岡県久留米市六ツ門町6-1
電話/0942-32-0932