コロナ禍で飲食業界全体が困難に直面している今、以前に掲載させていただいた愛され続ける老舗店の皆様に、改めてお話を伺いました。目まぐるしい変化との向き合い方、新たな取り組み、変わらず大切にしていること。追加インタビュー分も含めた再編集版で、どんな時代も愛される名店の現在地をお届けします。

名店から引き継いだ喫茶店文化の中で、コーヒーを軸とした新たな取り組みを展開。

50年の歴史を引き継ぐ純喫茶。当時のままの上質なノスタルジック。

約50年の歴史に幕を下ろした「シャポー博多駅前店」の後を引き継ぎ、2012年にオープン。スペシャリティコーヒー専門店の先駆けと呼ばれる「ハニー珈琲」が営む純喫茶で、「スペシャリティコーヒーの素晴らしさを、伝統的な日本の喫茶店文化の中で体験していただきたい」という想いが息づいている。
原料の豆に徹底してこだわり、抽出方法は茶こし・サイフォン・ドリップから選択可能。品評会で入賞しオークションで落札された特別なオークションロットにも出会える。また、シャポー時代からのホットサンドも名物だ。

店内は、まさにタイムスリップしたかのような格式高いレトロ空間。純喫茶の佇まいがそのまま引き継がれ、テーブルや椅子などの家具もシャポー時代のまま。「ずっと使われてきたテーブルと椅子は、この純喫茶に必要不可欠。これからも一緒に店を守っていきたいです」とマスターは微笑む。コーヒーの香りに包まれた優しい時間が続いていく。

オリジナル商品の開発など、新たな試みを続々と。「コーヒーを通した社会貢献」という変わらぬ想い。

昨今の社会の目まぐるしい変化にあたり、店主へインタビューを実施。
「コロナ禍で県外に出かけることが難しく、福岡での喫茶店巡りを楽しんでいると仰るお客様のご来店も多いです。お客様の気持ちに寄り添いながら、心地よい時間をご提供していきたいですね」と語るマスター。その言葉通り、来店客に心地よく過ごしてもらうための工夫を常に重ねている。

新しい試みとして、コーヒーカップを思いきって変更。有田焼の花柄のカップが純喫茶のレトロな雰囲気とよく合い、コーヒーの時間をより味わい深くする。また、名物のホットサンドを、パンの耳まで丸ごと楽しんでいただけるようにプチリニューアル。さらに新メニューで、コーヒーによく合うオリジナルのティラミスも開発し、新たな名物誕生の予感だ。そして、新しいコーヒーのブレンド「Miel(ミエル)」の販売も始まった。
どんな状況でも、軸にあるのはコーヒーで、「コーヒーを通した社会貢献」を目指していくことに変わりはない。これからも、コーヒー好き、純喫茶好きにはたまらない工夫が積み重ねられていく。

喫茶店文化を守りながら、お客様にとってのサードプレイスへ。

最後に、これからに向けてのメッセージをいただいた。
「コーヒーが軸なので、コーヒーを通して社会貢献していくことは、これまでもこれからも変わりません。美味しいコーヒーを通して家庭平和に貢献するというハニー珈琲の企業目標を大切に、喫茶店文化を守りながら、お客様にサードプレイスと感じていただけるような空間を構築していきたいです」


カフェ ミエル
住所/福岡県福岡市博多区博多駅前2-2-1博多センタービル B 2F
電話番号/092-441-2757
納入商品/ヘーグ
【1983年発刊 アダル・トータルファニチュア Vol.6 P 82掲載】