社外とのつながりを重視したリニューアルの鍵を握るエリアに設置

「Good Ethical Company」をビジョンとして掲げ、「地球や人・社会にやさしいグッドエシカルな空間」を構築する株式会社船場。企業ビジョンを体現したオフィスづくりは大きな反響を呼び、社員の意識や働き方に寄り添ったオフィス改革を継続的に行っていること、オフィスの構築が事業の強化にもつながっていることなどが評価され、今年2024年5月には東京の本社オフィスが「第2回JOIFAオフィスアワード(オフィス改善に継続的に取り組み、成果を上げている企業・団体を表彰)」で最優秀賞を受賞している。

状況に合わせてフレキシブルにレイアウトできる「ロビーエリア」

そして、その九州支店が、グランドコンセプトはそのままに、社内外への発信を強化したショールーム型オフィス「SEMBA Good Ethical Office -Fukuoka-」へとリニューアルした。「つのる・つながる・つくる」をキーワードとし、新たな共創パートナーを“つのる”「ロビーエリア」、共創パートナーと“つながる”「ポートエリア」、新たな価値を“つくる”「執務エリア」で構成されている。

完全フリーアドレスの導入によって執務エリアを5割程度まで縮小し、社外パートナーとのつながりを重視した設計を叶えている。今回の世界に一つだけの家具は、そのリニューアルの鍵を握るエリアとも言える「ポートエリア」に設置された。

背に「い草」を採用し、美しくシンプルな表現を追求。

各エリアをつなぐ港のような役割を果たす「ポートエリア」。執務エリアとの間仕切りにはガラス窓が採用され、偶発的なコミュニケーションがより生まれやすくなっている。そしてそんなポートエリアに設置されたのが、全長8mにも及ぶ巨大ソファ。アダルが福岡県産のい草を活用したサステナブルブランド「Look into Nature」を展開していることから、伝統産業・自然由来・地産地消というエシカルの観点でコンセプトと合致し、背にい草が採用された。

特にこだわったのは、い草をシンプルに表現すること。独特で複雑な造作にするというよりも、背のい草をしっかりと見せ、色はできる限り自然の状態に近づけた。また、座面にはアダル工場の残材を使用し、アップサイクルしているところもポイントだ。

い草を織った畳表は畳の目と垂直方向(縦糸方向)にしか曲がらない性質があるが、背と座のつながりを美しくするため、畳の目の方向にどこまで曲げられるのか何度も検証。さらに、織られたい草は引っ張ると若干伸びるので、最終的に適した長さになるよう、あえて短めに調整するところにも工夫を凝らした。

空間にインパクトをもたらし、つながりの創出を象徴。

リニューアルの担当者がアダルのショールームまで訪れ、サステナブルブランド「Look into Nature」のアイテムを目にしたことから始まったソファづくり。現在では様々な用途で活用され、特に大人数での打ち合わせの際、たくさんの人が並んで座っている光景は空間全体にインパクトをもたらし、「ポートエリア」の存在意義を際立たせる。
人にも環境にもより良い空間へ。グッドエシカルなソファが企業の想いを伝え、多くの共創パートナーを迎えながら、未来へのつながりを生み出していく。


SEMBA Good Ethical Office -Fukuoka-
住所:福岡県福岡市博多区博多駅前2-6-12 西日本新聞博多駅前ビル7F
株式会社船場
納入商品:造作い草ソファ
設計:株式会社船場 EAST事業本部
Design Direction Division1 デザイナー 田口裕都
担当:本社営業部 第2グループ 第2チーム 堀遥乃介