福岡で多くの人気飲食店を経営する、わらび野グループの新店「博多の水炊き かつえ 」 大きな山紅葉を店の真ん中に据えた木のぬくもりと高級感が漂う店内にオーダーメイドの木製テーブルがいくつも並ぶ。天板の中に水炊き用のIHが内蔵されているとは思えないほどのスタイリッシュな仕上がりに驚かされた。このカタチに辿り着くまでに、実に9ヶ月を費やしたという「モダンでスカッと!」これがオーナーからの最初のオーダー。

店内をイメージした模型を見せてもらった後、その空間に合う設計であることはもちろん、5mもある天井の空間に置いても存在感が薄れない家具をコンセプトに提案したそうだ。その中で、オーナーの頭の中に描かれたものをコミュニケーションの中で汲み取っていき、理想形へと近づけていったという。中でも最も試行錯誤したのは、天板を支える3本の脚。何気なく組まれたように見える3本だが、デザイン性と安定性と高さのバランスを計算したベストな長さと角度で、組み合わせているのだ。デザインを提案していく中で、当初から四角形で進んでいた天板を、よりフランクにするために円形にして、一から脚を設計し直したという裏エピソードも。

「この仕事は、セオリー通りにやってもダメ。既成概念を壊していくことが大切ですよ。」そう語るのは、わらび野グループとお付き合いして3年というアダルの担当営業の古賀さん。「 モダンでスカッ と! 」という言葉から始まったこのプロジェクトも、思考の柔軟さと両者の確かな信頼関係があったからこそ辿り着いたゴールだったのだろう。

博多水炊きかつえ
福岡県福岡市中央区平尾1-3-43