迎賓館の役割を担うホテルのロイヤルスイートが全面改修
1976年の若楠国体を機に、日本を代表する建築家・黒川紀章氏の設計で開業し、佐賀の迎賓館として親しまれてきた「ホテルニューオータニ佐賀」が、その最上階に位置するロイヤルスイートルームを全面改修。今回は、2024年10月の佐賀国民スポーツ大会開催に合わせ、「佐賀の文化的雰囲気を感じるロイヤルスイートルーム」をテーマとし、リニューアルを果たした。

佐賀ならではのロイヤルスイートを表現
計画が決まった当初、佐賀で開催される国民スポーツ大会の開催までに必ず完成させなければならないため、短い期間の中でレトロなクラシックスタイルをどのように変えていくのか、かなりの難題だった。検討を重ねながら、シンプルモダンをデザインテーマに、室内の床・壁・天井の表層を一新し、まったく新しい空間へと展開。

全体的にシックで落ち着いたトーンが、窓の外に広がる佐賀城西堀の鮮やかな緑を際立たせることにもつながっている。佐賀の伝統的な織物である鍋島緞通パターンなどもとり入れ、これまでのヨーロピアンクラシックから、佐賀ならではのロイヤルスイートを表現した空間へと仕上げた。

ドットの大きさや数にまでこだわり 特殊塗装を施してリメイク
家具については、竣工当時のヨーロッパのクラシック調家具を活かしつつ、チェア木部にオリジナルの特殊塗装を施すことで、「どこにもない新たなクラシックモダン」が完成。黒とシルバーの下地に黒とシルバーのドット塗装を行い、ドットの大きさや数はいくつものサンプル製作を経て決まった。重厚感があり、繊細な美しさも感じられる特殊塗装。

そして張地は、その特殊塗装と合わせることにより、効果的なメリハリでクラシックモダンをさらに際立たせるデザインを選び抜き、理想的なものを海外から取り寄せた。開業から約50年もの歳月を経たリメイク。ロイヤルスイートを象徴する家具として、新たな息吹が吹き込まれ、迎賓の想いを体現していく。

ホテルニューオータニ佐賀
住所:佐賀県佐賀市与賀町1−2
納入商品:特殊塗装張替え椅子、張替えソファ、張替えスツール
デザイン設計:株式会社スタジオエム
内装施工:クレアプランニング株式会社
担当:本社営業部 永田有紀