多軸CNC加工機械の緊張感。目指すのは、点まで丁寧な仕事。
班長として工程管理も担いながら、新たな機械の操作にも挑戦。
テーブル天板の製作を主に担当し、今年度からは1課1班の班長として工程管理も担う大久保。製作の道筋を図面から導き出して、1班のメンバーに振り分ける。また、同時に今年度から「多軸CNC加工機械」のオペレーターにも抜擢された。「多軸CNC加工機械」とは、刃物が3次元に移動することで曲面や立体的な木材の削り出しが効率的にでき、テーブル天板の木口の縁張りも可能という非常に精度の高い機械。慎重に操作しながら、変形の型取りや面取りなどを行う。
3年前に、NCルーターという転機。ものづくりへの向き合い方に変化。
インテリアへの興味から入社した後は、ものづくりの難しさと面白さを日々感じながら技術を磨いてきた。そんな大久保が急成長するきっかけとなったのは、3年前。NCルーターという加工機械を操作するようになったことで、変化が訪れた。0.1ミリ以下の単位で動かせるNCルーターの操作では、数字やコードを少しでも打ち間違えると重大なミスにつながり、完成間近だった製品をつくり直さなければいけなくなる。「担当になった当初はずっと緊張していました。でも、今考えてみれば、NCルーターの操作を通して、ものづくりへの向き合い方が変わっていったと思います。より丁寧に慎重になって、感性も磨いてもらった気がします」と、当時を振り返りながら語る。
0.1ミリ以下の世界で重ねる仕事。美しさと厳しさの中で、成長を続ける。
そして彼は、言葉を続けた。「製作においては、パーツのつなぎ目とつなぎ目の完成度を意識しています。全体の美しさは当たり前で、点まで見てちゃんと丁寧な仕事をしたい」 現在は、工程管理を担う班長として、さらには「多軸CNC加工機械」のオペレーターとして日々奮闘中の大久保。0.1ミリ以下の世界で重ねる美しく厳しい仕事が、彼を成長させていく。
仕上がりもスピードも、昨日の自分を常に超えていく。
いつも根底にあるのは、喜んでいただける家具づくり。
ものづくりが好きで入社。5年ほど椅子・ソファの下張りの経験を積み、現在は上張りを担当している。モットーは「とにかく喜んでいただける家具をつくること」。以前に特注品を製作した際、お客様にすごく喜ばれた経験が強く印象に残り、そのときに灯った情熱が今も続く。
日頃から観察力や感性を磨き、そのすべてを活かしていく。
プライベートでは、数年前から写真撮影に本格的に取り組む。撮影時にも、家具製作のときと同じく細やかさやこだわりを発揮し、1枚ずつ丁寧におさえていく。「もちろんフォトコンクール総ナメを狙っています(笑)」と朗らかに笑う表情からは、情熱と楽しさが伝わってくる。プライベートでも観察力や感性を磨き、そのすべてを「喜んでいただける家具づくり」に活かしていく。
昨日の自分に勝つという意識が、技術力の向上に結びつく。
「仕上がりもスピードも、昨日の自分に勝つこと。技術力を高めて成長していくために、いつも心がけています」と語る。また、自分自身だけでなく、周りのメンバーのことも意識しながら仕事を進めていくのが、田中流の成長の秘訣。「3課メンバーの仕上がりやスピードもけっこう気にして密かに見ています(笑)」と微笑む。商品が納入された瞬間の笑顔を思い浮かべながら、今日も目の前の家具と向き合い、情熱を重ねていく。